
どこに住むか。どんな仕事をして、いつ一人暮らしを始めるか。そして、何時に起きて、何時に寝るか。今日はなにを食べる。どんな服を着て、どこに出かけるか。健常者ならだれでも自分で決めているでしょう。生き方から日々の暮らしまで、自分で自分のことを決めるのは健常者も障害者も同じはずです。もちろん、まったくの自由ではなく、さまざまな制約があってもそれを含めて自分で決める。それが自立だと思います。私たちが目指しているのは、障害の軽い重いにかかわらず、健常者と同じような暮らしができる支援です。障害者が必要かつ適切な支援を得て、日々の暮らしを送り、その中でさまざまな人間関係を切り結び、社会経験を積み重ねることで自分の世界が豊かになる。それが当たり前の暮らしではないでしょうか。自立支援協会は、より多くの障害者が、自立と社会参加できる環境の実現に貢献していきたいと考えています。
障害者がどんな暮らしをしているか、なかなか理解されていないのが現実です。そういう私も、大学のサークルで初めて重度の方のお話を聞いたとき「重度なんだから1日三食食べられるだけで十分」「出かける自由がないのは仕方ないこと」と思っていたのです。しかし、先輩の人柄に惹かれて介護に深く関わるようになるうちに、重度障害者の多くがまったく自由のない、人間的な暮らしができていないことを目の当たりにしました。同時に、そんな現実社会への疑問が強くなり、障害者が生きやすい世界は、自分も含めいろんな人にとって生きやすい世界だと考えるようになったのです。当法人を共同で設立した4団体も、障害者がいきいきと自立して暮らすことを支援したいとの思いを持って取り組んできました。いまではだいぶ広まっていますが、堺市で「同性介護」を先駆けたのも私たちです。人間の尊厳に関わることですが、最初は驚かれました。障害者の支援は効率一辺倒ではできません。大きな施設でまとめて介護するのは効率的ではありますが、プライバシーを守ることもむずかしい生活がはたして「当たり前の暮らし」でしょうか。障害が重い方でも、利用者本位のきめ細かいサポートがあれば自立した生活が送れるのです。私は常々スタッフに「障害の重さで区別をつけないように」といっています。障害が重いから仕方がない、というのは思考停止です。支援する側がどう関わればいいか、それを考えろと。障害者ではなく、ひとりの人間として接することであるべき支援や支援の仕組みが見えてくると思っています。

現在、障害者ケアホームやヘルパー派遣、放課後等デイサービスなどの各事業の他、障害者からのさまざまな相談を受けたり、行政との協議などに取り組んでいます。
365日、24時間派遣できるヘルパー事業を今後ますます拡充するとともに、重度の障害を持つ人でも暮らせるケアホームを増やし、成人後は家族からの独立が夢物語でなくなるような活動をしていきます。さらに、健常児と同様に、希望する障害児がすべて学校のクラブ活動に参加でき、支援学校や地域の学校での子ども同士の時間が豊かになるような支援をしていきたいと思っています。
代表 | 理事長 椋田英和 |
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事業内容 |
居宅介護、重度訪問介護、移動支援、行動援護、同行援護、訪問介護、 介護予防訪問介護、グループホーム(共同生活援助)、 生活介護 |
職員 | 135名(2023年6月現在) |
事業所所在地 | 堺市中区土師町2-33-37 |
メール | jiritu-shien@triton.ocn.ne.jp |
